全国的にバス・トラック運転手の「なり手不足」が深刻化

全国的にバスの運転手不足が深刻化し、賃金や勤務時間の改善、輸送効率向上が課題になっています。

詳しくはこちら→ 神奈川新聞 2016年12月11日報道

かつてバス運転手の平均年収は他の産業を上回っていましたが、その理由は給与水準が高かったからではなく、長時間勤務によるものでした。
また、2000年以降のバス規制緩和によって、バス業界全体が過当競争の状態になっているため、記事によると以降15年間で平均年収が120万円減少。2015年には全産業の平均(548万円)の8割程度となる427万円になっています。

安全運行が要求される長時間勤務の割に給与水準が高いわけではないため、全国的な「なり手不足」が深刻化しています。
これはバス業界に限らず、トラック業界でも同様の状況です。
人員を増やすことが難しい状況に対応する取り組みの一つが、輸送効率の改善です。

 

バスについては、幹線系統を走る複数の路線をLRT(軽量軌道交通)やBRT(バス高速輸送システム)などにアップグレードして、輸送力の大きな車両を使うことで、より少ない運転手がより多くの乗客を運べるようにする取り組みが始まっています。
幹線系統の輸送効率が改善すれば、それによって生じた余力を支線系統や新規路線開設に振り向けることができます。

トラックについても、大型トラック(車体長12m)2台分に相当する輸送力を1人の運転手で運べる「ダブル連結トラック」(車体長21m)の実験や、高速道路のSA(サービスエリア)やPA(パーキングエリア)を活用する「中継輸送」の実験が始まっています。
また、鉄道や船舶などへのモーダルシフト(輸送手段の振り替え)も推進されています。