「栃木県LRT研究会」と宇都宮商工会議所の特別委員会は、LRTに関する研究中間報告書を公表しました。
詳しくはこちら→ 下野新聞 2016年4月4日報道
「栃木県LRT研究会」と「宇都宮商工会議所東西基幹公共交通整備特別委員会」がまとめたのは、「平成27年度 LRTの導入、整備に関する研究中間報告書」(※PDFファイル)です。
同報告書では、LRT・バス・地域内交通などで共通利用できるICカード乗車券のあり方、LRT(軽量軌道交通)のトランジットセンター(乗り継ぎ拠点)の機能充実など、利用促進についての具体的な提言を行っています。
報告書は、4月に宇都宮市などに提出されます。
ICカード乗車券については、宇都宮市と芳賀町が2017年度からまずバスでの利用開始をめざしバス事業者と協議を進めていて、2019年度のLRT開業時にはLRTとバスの相互利用、定期券のICカード化を予定しています。
ICカード乗車券は独自企画で、「Suica」「PASMO」など全国共通のICカード乗車券も片利用方式を導入する予定です。
報告書では、ICカード乗車券への機能・サービス付加や、商店などでの利用について提言しています。
トランジットセンターについては、交通結節点としての機能強化だけでなく、「利用者が集客することを生かした機能、生活利便機能の整備をはじめ、利用料金の適正化、周辺施設との連携による相乗効果、地域らしい景観性の創造なども大切であると考える」として、多面的な活用を求めています。
清原・芳賀工業団地のトランジットセンターには、通勤する従業員のための保育施設・子育て支援施設などの併設を提言。
新4号国道付近のトランジットセンターには、「道の駅」併設によるマルシェ機能の強化や、住居・福祉・医療・生涯学習機能の研究機能の付加などを提言しています。
集客については、「LRTが地域の誇れる資源として、市内外の住民・企業、観光客等に利用され、愛され、親しまれ、引いては運営会社の健全経営に資するためには、市民や企業参加のもと、宇都宮ならではの新たな集客のための仕掛けをすることが必要」と指摘。
愛称の募集、LRT基金の設立、アテンダントの配置、小中学生の絵画・作文コンテスト、電停や車両のトータルデザイン化、LRT利用者向けの宿泊施設の特典設定、公共交通の通勤利用促進策の検討など、具体例を挙げています。
報告書ではJR宇都宮駅西側への延伸についても提言していて、JR宇都宮駅と東武宇都宮駅との結節すること、LRTを東武宇都宮線に乗り入れて西川田駅まで接続すること、西側の延伸先に大谷パーキングエリアやロマンチック村方面も検討すること、LRT導入による中心市街地活性化や市内商業地域の連携についての施策を示すことを盛り込んでいます。