台湾・高雄市、全線架線レスの環状LRTを整備、第1期区間は2015年末に開業

台湾第2の都市・高雄では、世界で初めてとなる全線架線レスLRT建設が進んでいて、2015年末に第1期区間(8.7km)が開業する予定です。

詳しくはこちら→ ケンプラッツ 2015年5月27日報道

台湾第2の都市・高雄では、世界で初めてとなる全線架線レスのLRT建設が進んでいて、2015年末に第1期区間(8.7km)が開業する予定です。...

Posted by 雷都レールとちぎ on 2015年5月27日

高雄市のLRT(軽量軌道交通)は、JR山手線のように高雄市を一周する環状線で、全線開業すると全長は22.1kmになります。
最初から環状運転を実施するのではなく、まず海沿いの第1期区間での営業運転を開始して、引き続き第2期区間(13.4km)の工事を進めます。

 

最大の特徴は、全線架線レスで建設されるということです。
架線は各駅(停留所)の構内にだけ設置されて、急速充電可能な大容量バッテリーを搭載する電車を使用します。
電車は停車中の20~25秒間にパンタグラフ(集電装置)を上げて集電・充電を行います。 ブレーキをかけるとモーターが逆転して発電しますので、その電力も車載バッテリーに充電します。

また、交差点での信号制御に「路面電車優先システム」を導入することも特徴の一つです。
このシステムは、電車が交差点に接近すると、電車が優先的に走れるよう信号を制御して、定時運行性を高めるものです。


さらに、軌道敷の80%を緑化軌道として、景観面と環境面に配慮するほか、駅舎に先住民族の民族衣装に使われる色彩を取り入れられるなど、デザイン面でもさまざまな工夫を採り入れています。


架線レスLRTは、一般的な鉄道やLRTの電化路線には必要不可欠の架線柱と架線がほとんど必要ないため、軌道の敷設コストを低減できるほか、導入空間の景観が向上するというメリットがあります。
ただし、使用する車両に急速充電可能な大容量バッテリーを搭載するため、車両の製造コストは割高になります。