エコで便利な都市交通として進化する路面電車、新規のLRTも各地で計画

かつては全国で走っていた路面電車は、従来のチンチン電車というイメージから脱却して、今後の都市交通を担う有力な交通機関として革新を遂げつつあります。

詳しくはこちら→ 読売新聞 2015年5月20日報道

かつては全国で走っていた路面電車は、従来のチンチン電車というイメージから脱却して、今後の都市交通を担う有力な交通機関として革新を遂げつつあります。...

Posted by 雷都レールとちぎ on 2015年5月19日

記事では、最近の路面電車整備計画に共通するキーワードとして「環状線」「JR駅接着」「直通運転」の3点を挙げています。

「環状線」は、既存の路面電車を部分的に延伸して環状線化したり、LRT(軽量軌道交通)を新設する場合に環状線とするケースがあります。
すでに富山市で「セントラム」が開業して片方向の環状運転が実現しているほか、現在は起点と終点の停留所が約400m離れている札幌市電の軌道を延伸して環状線にする工事が進んでいます。
東京都豊島区では、池袋駅東口~サンシャインシティ周辺へ、約2.1kmのLRT環状線構想があります。

「JR駅接着」は、路面電車やLRTをターミナル駅へ直結するようにして、利用者の乗り換えの利便性を高めるというものです。
広島電鉄は、高架の新設軌道をJR広島駅ビル2階に乗り入れて、広島駅電停をJR駅のコンコース前に移設する計画です。
福井鉄道は、路面を走る駅前線をJR福井駅方面に約150m延伸して駅前広場に接続する計画です。
宇都宮LRTでも、JR宇都宮駅との接続を重視していて、現在駅の東西乗り越えについて検討が進められています。

「直通運転」は、鉄道線と軌道線を直通運転するというもので、「鉄軌直通」や「トラムトレイン」と称します。
世界的に有名になったのはドイツのカールスルーエの事例で、旧来の路面電車を新たな交通システムとしてグレードアップする改革の一つとして、路面電車の編成を長くして輸送力を増大して、軌道線から鉄道線に直接乗り入れるようにして利便性を高めました(鉄道区間では鉄道並みの速度で走行)。

日本では名古屋鉄道がかつて岐阜周辺で鉄軌直通を行っていたほか、広島電鉄が市内の軌道線と宮島に向かう宮島線を直通する系統を運行しています。


今後、福井鉄道福武線(軌道線)と、えちぜん鉄道三国芦原あわら線が直通運転する計画で、現在両線の接続駅となる田原町(たわらまち)駅の改良工事が進められています。