国土交通省、交通系ICカード普及拡大・利便性向上に向けて検討開始

国土交通省は、交通系ICカード(IC乗車券)の普及や利便性を向上させる方法について検討を開始することになり、1回目の検討会を2015年4月13日に開催します。

詳しくはこちら→ レスポンス 2015年4月10日報道

国土交通省は、交通系ICカード(IC乗車券)の普及や利便性を向上させる方法について検討を開始することになり、1回目の検討会を2015年4月13日に開催します。...

Posted by 雷都レールとちぎ on 2015年4月10日

交通系ICカード(IC乗車券)は、事前に入金した金額分まで何度でも列車やバスを利用でき、乗り降りや乗り換えのたびに切符を購入したり運賃を支払う手間が省けることから普及が進みました。
関東地方では、JR東日本の「Suica(スイカ)や、関東地方で多数の鉄道・バス事業者が参加する「PASMO(パスモ)が普及していて、宇都宮市が芳賀町と共同で整備するLRT(軽量軌道交通)でも交通系ICカード導入を検討しています。


交通系ICカードを導入すると利便性が大幅に向上する一方、導入にあたっては初期費用が発生するほか、毎年システム利用のための維持費がかかることから、中小の交通事業者が独力で導入することが困難なケースもあります。


2015年2月に政府が閣議決定した「交通政策基本計画」では、公共交通を利用する人の利便性を向上させるため、交通系ICカードが利用できる事業者を増やし、異なる事業者の間でも共通利用できるようにしたり、異なるエリアのICカードでも相互利用しやすくすることなどを検討するとしています。
また、2020年度までに、相互利用が可能な交通系ICカードが導入されていない都道府県をなくすという数値指標も設定されています。

このため、国土交通省は学識経験者や交通事業者などがメンバーの検討会を立ち上げて、交通系ICカードの普及と、利便性向上のための方策を検討することになりました。


交通系ICカードを導入すると、鉄道の場合、事前に入金しておけば乗車のたびに切符を購入する手間を省けるうえに、ICカードを定期入れや財布に入れたまま改札機や読み取り機にかざすだけで良く、改札口をスムーズに通行できるなどのメリットがあります。
バスや路面電車の場合は、乗客が車内で小銭を両替する手間を省いたり、乗客が一人一人運賃を支払うために長くなりがちだった停留所での乗降時間を大幅に短縮できるメリットがあります。
乗降の記録がデータ化されたことで、鉄道・バス事業者は乗客の動向を詳細に把握できるうえに、他路線や他社線との乗り継ぎ割引制度を設定することも容易になります。