名古屋市は、名古屋駅を起点として繁華街・栄地区や名古屋城などを周遊するルートに燃料電池で駆動するLRT(軽量軌道交通)の導入を検討しています。
詳細はこちら→ 読売新聞 2014年12月29日報道
名古屋市は、2017年のリニア中央新幹線開業に合わせて、市内の交通システムの見直しを進めることを検討していて、2014年9月に策定した交通政策プランにLRT導入を盛り込んでいます。
同市は今年(2015年)、燃料電池自動車の販売を始めたトヨタ自動車に対して、燃料電池を動力とするLRV(LRT用の電車)の共同開発を正式に要請する予定です。
名古屋市では、2016年度までに実現性があるかどうか結論を出す方針で、採算性や需要予測、市営地下鉄とのすみ分けなどを検討する予定です。
燃料電池は、水素と空気中の酸素を電気化学反応させて発電する装置です。
発電効率が高く、騒音や振動が小さいという特徴があって、排出するのは水だけという点が注目されています。
ただし、現時点ではまだまだ初期投資額が高いという点と、燃料電池が寿命に達したら交換する必要がある点など、課題もあります。
燃料電池を動力源とするLRVを導入する場合、車両の導入コストが割高になる一方、従来型の電車が走るためには不可欠な電化工事が不要となります。
また、架線や架線柱が不要になることから、景観が向上する効果が期待できます。