宇都宮市の荒川副市長、インタビュー記事でLRT導入意義と効果を説明

宇都宮市が芳賀町と共同で導入準備を進めるLRT(軽量軌道交通)について、同市の荒川辰夫副市長は「レスポンス」のインタビューに応じて、LRTの導入意義と効果について説明しました。

詳しくはこちら→ レスポンス 2014年11月3日報道

このインタビュー記事は、2014年9月末に「レスポンス」が実施したインタビュー取材に基づく内容です。

荒川副市長は、主なLRT導入効果として、通勤通学事情の改善と、沿線土地利用の高度化を挙げています

LRT導入によって、JR宇都宮駅から清原工業団地までの所要時間は20分台(マイカーだと30分~60分)、JR宇都宮駅~芳賀・高根沢工業団地まで快速だと30分台、各停で43分(マイカーだと50~80分)になる見通しです。
所要時間を短縮できるだけでなく、これまでのように時間帯や天候による渋滞悪化の影響を受けずに済むようになるため、本年度実施したLRT沿線企業への従業員アンケートでもマイカーからLRTに乗り換えたいと回答した人が10~20%に及ぶなど、かなり期待が高まっていることが分かります。

沿線土地利用の高度化は、LRT導入によるもう一つの大きな効果です。
沿線企業へのヒアリングを通じて、各企業はマイカー通勤者用駐車場の確保・管理や、通勤用シャトルバスの運行、フレックスタイム制の導入など、ささまざまな負担を強いられていて、従業員数が増加してさらなる通勤対策が不可欠となる新規の設備投資には慎重な企業もありました。
LRT導入によってマイカー通勤していた人の10~20%が通勤にマイカーを使わなくなることで、周辺の道路渋滞が緩和するだけでなく、マイカー通勤者用の駐車場になっている土地が余剰となれば、新規の設備投資などの有効活用が可能になります。

なお、LRT導入に伴って車線が減る区間があるため、渋滞対策は慎重に進めていて、現在までに(1)道路ネットワークの各区間の「混雑度」の確認、(2)LRTの軌道を併設する道路を中心とする「交差点需要率」の確認を実施しています。

(1)の結果、LRT開通時点までに予定している道路ネットワーク整備が完了すると、マイカーからLRTへの転換率が3.6%であれば混雑度は全体的に下がるか現状と同レベル、転換率が10%を超えると混雑度がかなり下がると予測しています。
(2)の結果、新4号国道交差点と野高谷交差点は朝夕の渋滞長が伸びる懸念があったため、新4号国道交差点は交差点のやや南側を軌道がアンダーパスすることに、野高谷交差点の軌道は高架化することになりました。

今後は(3)現実に近い形で交通流を分析する「ミクロ交通シミュレーション」を実施して、レーン形状や信号現示などについて検討を深めていくとのことです。