中国・瀋陽(シェンヤン)に3路線・54.8kmのLRT開業

中国の瀋陽(シェンヤン)に3路線・54.8kmのLRTが開業し、2013年10月8日から正式運行を開始する予定です。

詳しくはこちら→ レスポンス 2013年8月19日報道

中国東北部の遼寧省にある瀋陽(しんよう/シェンヤン)は、満洲国時代まで奉天(ほうてん)だった満州の主要都市で、交通の要衝です。
中国国鉄の幹線が複数通っているほか、2005年には地下鉄1号線(27.8km)が、2011年には地下鉄2号線(21.9km)が開業しました。
今回開業したLRT(軽量軌道交通)は、日本の国体にあたる「全国運動会」が8月31日から開催されるのに合わせて、8月15日から無料での運行を開始していました。
そしてこのたび、10月8日から有料での正式運行が始まる運びとなりました。
運行を始めたのは、1号線(18.7km)、2号線(15km)、5号線(21.1km)の3路線。未開業の3号線(15.1km)も工事は終了しているようです。
すでに開業している地下鉄2路線と共に、瀋陽市の都市内交通を担うことになります。

LRTの運行は、瀋陽市と、フランスの公共交通運行会社「トランスデヴ」が合弁で行います。
開業にあたっては、全長34.4m(定員360人)の100%低床LRV(LRT用の車両)と、全長28.8m(定員300人)の70%低床LRVの2種類、合計30編成が導入されました。
これらの車両はドイツ製の駆動機器を使用していて、蓄電装置を車載しているため架線がなくても700mは自走できます。

中国では急速にマイカー保有率が上昇していて、それに伴って道路渋滞も悪化。大気汚染も深刻化しています。
どんなに道路を作っても渋滞は解消しませんので、都市部では地下鉄など軌道系交通機関の導入が進められています。でも、地下鉄は莫大なコストが必要なので、簡単には整備できません。
その一方、地下鉄に比べると整備費が大幅に圧縮できるうえに、乗り降りするのが楽なLRTを導入する都市は増え続けています。