国交省、地方都市でコンパクトシティ推進へ

国土交通省は、地方都市のまちづくり政策を見直し、国が主導して全国に「コンパクトシティー」を広める方針に転換します。

詳しくはこちら→ 日本経済新聞 2013年8月25日報道

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従来日本のまちづくりは、中心街から郊外へと都市機能を拡張し続ける政策を続けてきました。
しかし、市街地が郊外に拡散し続けていけば、行政コストは年々増加し続ける一方になるだけでなく、いわゆる「交通弱者」「買い物弱者」の問題が悪化してしまいます。
これまでのような、次々にバイパスを建設して、郊外へと市街地を広げていく都市政策は限界を迎えています。

今回、国土交通省が明らかにした方針によれば、鉄道の駅を中心とする半径1km圏内のエリアを「中心拠点区域」として、医療施設や介護施設、育児施設などの重要な都市機能を集約します。
「中心拠点区域」の周囲を「住宅エリア」と位置づけて、「住宅エリア」の外側を「郊外」と位置づけます。

「郊外」にある都市機能の「中心拠点区域」への移転を促すため、税制面、財政面の優遇制度も新設します。
財政面では、民間企業などが「中心拠点区域」にある遊休地などに介護施設を建設したり、空きビルなどに保育所を開設したりするとき、国と自治体が費用の8割程度を補助できるようにします。
税制面では、「郊外」にある病院が「中心拠点区域」に移転する場合を例にすると、「郊外」の土地や建物の売却益にかかる所得税を80%繰り延べにして、実質的な減税を実施します。「中心拠点区域」で病院の移転先となる不動産を売却する企業・個人の所得税や個人住民税も軽減します。

さらに、国土交通省は地方都市が主導する地域の公共交通の再編計画づくりも後押しする方針です。
鉄道やバスの重複路線を解消を図るほか、都市の郊外部から中心部へと人の流れを生み出す効果を有するLRT(次世代型路面電車システム)の導入などを推進します。