JR東日本、烏山線用の蓄電池電車「ACCUM」報道公開

JR東日本は、烏山線(宝積寺~烏山 間)に導入する新型バッテリー電車「EV-E301系」通称「ACCUM(アキュム)」の先行編成(2両編成)を1月29日に同社宇都宮運転所で報道公開しました。

詳しくはこちら→ 下野新聞 2014年1月30日報道

「EV-E301系」は、現在烏山線で使用中のディーゼルカー「キハ40系」を置き換えるための新型車両です。
最大の特徴は、非電化区間(電化していない区間)でも車載している大容量バッテリーの電力で走行できることです。

電化区間のJR宇都宮駅から宝積寺駅を走るときは、通常の電車と同じくパンタグラフを上げて、架線から集電しながら走行して、充電も行います。
非電化区間の宝積寺駅から烏山駅を走るときは、大容量バッテリーに充電した電力を使って走ります。
終点の烏山駅にも架線を設置して、「EV-E301系」が停車している間に急速充電できるほか、回生ブレーキ(ブレーキをかけたときの抵抗で発電する仕組み)によって発生した電力も車載バッテリーに充電します。

「キハ40系」はドアが2箇所だったのに対し、「EV-E301系」はドアが3箇所に増えますので、これまでより乗り降りがスムーズに行えるようになります。
今回完成した先行編成は、3月のダイヤ改正から正式に運行を始めます。


「EV-E301系」と同様の仕組みを有する車両は海外にもあり、LRV(ライト・レール・ヴィークル/LRT用の車両)でも実用化されています。

LRT用に「EV-E301系」と同様のバッテリー搭載型LRVを導入すると、景観保護を優先したいエリアなどは架線を張らず、バッテリーの電力だけで走るようにすることが可能です。
 また、真岡鐵道など非電化の鉄道路線に乗り入れる場合、烏山線と同じように終着駅など一部の駅構内だけを電化して停車中に急速充電を行うようにしておけば、ほとんどの区間は電化せずに済むため、設備投資コストを大幅に削減できるというメリットがあります。