佐野市、市営バス「さーのって号」7番目の支線、「犬伏線」運行へ

佐野市は、市営バス「さーのって号」の7番目の支線となる「犬伏(いぬぶし)線」を2014年4月1日から運行することになりました。

詳しくはこちら→ 下野新聞 2014年1月14日報道


「さーのって号」は、市の南北を結ぶ「基幹線」(葛の里壱番館~佐野新都市バスターミナル間、2系統)と、支線6路線が運行しています。
これまで運行している支線は、「秋山線」「仙波会沢線」「野上線」「飛駒線」「足利線」「名水赤見線」の6路線で、東武鉄道佐野線やJR両毛線の駅などから中山間地など各地に向かっています。
路線バス方式で運行する路線、デマンド方式で運行する路線のほかに、時間帯によって路線バス方式とデマンド方式を切り替えている路線もあります。

今回の「犬伏線」は、5年半ぶりに開設される7番目の支線で、犬伏地区の住民からの要望に基づき、イオンモール、佐野駅、佐野厚生総合病院などに向かう4系統を設定します。運行時間帯は6時台~19時台で、計12便を運行します。
同じ路線なのに4系統を設定するのは、29人乗りの小型バス1台での運行を予定しているためです。住民からの要望を全て採り入れて一つの路線にまとめようとすると、走行距離が長い遠回りな路線になってしまい、1便あたりの所要時間が長くなるため、便数を確保することも難しくなってしまいます。
このため、運行効率の向上と運行便数を確保するため、運行系統が複数になってしまうものの、効率的な運行が可能な4つのルートを設定することにしたそうです。

運賃は「さーのって号」他路線と同じく1乗車あたり大人300円、小学6年生までの子どもは150円です。
もし他の路線と同じ運賃体系が導入される場合は、他路線への乗り継ぎ運賃(1回100円)と、「1日乗車券」(大人600円、子ども300円)が利用できます。

「犬伏線」は、犬伏地区の住民50人がワークショップを設けて協議した結果、今後の高齢化社会の進展を考慮して導入が不可欠と判断して、ルートや停留所の設置場所などを検討してきました。
バス運行に必要な運行経費の内、運賃収入でまかなう割合は他の路線と同じく20%を目標として、不足する分は市の一般会計から支出します。

 


なお、各地で運行するコミュニティバスやデマンド交通の多くは、民間交通事業者が独力でサービスを提供することは難しいものの、運行経費の大半を公的資金によってまかなうことで、公共交通サービスの提供が必要なルートやエリアなどに導入しています。
収支率(運行経費に占める運賃収入の割合)の目標は20~30%程度で、不足する部分を公的資金によってまかないます。
運賃収入ではまかないきれない経費について、これまでは赤字補填として支出するケースが多かったのですが、今後は公共交通サービスを提供することは行政サービスの一環という認識に基づいて、必要経費として支出するケースが増えていくものと考えられます。