富山県高岡市と射水市を結ぶ「万葉線」で、高性能バッテリーを搭載するハイブリッド電車「Hi-tram(ハイ!トラム)」の走行試験を検討しています。

中日新聞 2013年12月10日報道

http://www.chunichi.co.jp/hokuriku/article/news/CK2013121002100008.html

 

「Hi-tram(ハイ!トラム)」は、架線がある区間では充電しながら走行して、架線がない区間では充電した電力でモーターを駆動させて走る車両です。
http://www.rtri.or.jp/rd/division/rd42/rd4210/rd42100102.html

「万葉線」はJR高岡駅を発着しますが、2015年春に「北陸新幹線」が金沢まで開業すると、新幹線の新高岡駅も一大ターミナルとなります。
新幹線の新高岡駅は、JR城端線(じょうはなせん)との交差地点に設けられ、城端線にも新高岡駅が新設されます。高岡駅からの距離は約1.5kmです。
ここに、「万葉線」を直通させようという動きがあります。

城端線の新高岡駅まで「万葉線」を直通する場合、たくさんの線路があり、交流20,000ボルトで電化されている高岡駅構内をどう横断するかということと、電化されていない城端線での動力源をどうするかが課題でした。
もし城端線を新高岡駅まで「万葉線」と同じ直流600ボルトで電化するとしても、高岡駅を横断する際は異なる電化方式の区間を走らなければなりません。
交流区間と直流区間の両方を走れる「交直両用」車両は製造費が割高になってしまいます。

 「Hi-tram(ハイ!トラム)」のようなバッテリー搭載車両を使えば、交流区間はパンタグラフ(集電装置)を収納してバッテリーの電力で走行すればよいため、異なる電化方式をまたぐ運行も容易になります。


今回の試験走行は、高岡商業高校前までの約2.5kmの延伸構想を電化しないままで実現できるかどうか、新高岡駅への直通運転が可能かをどうかも視野に入れたものと考えられます。


「Hi-tram(ハイ!トラム)」は、これまでに札幌市電(札幌市交通局軌道線)で冬季の寒冷地でも走行に支障が無いことを実証したほか、JR四国の予讃線と高徳線で80km/hまで安定的に高速走行できることも確認しています。
これらの実績から、都市間鉄道(鉄道)や都市内鉄道(LRTや路面電車)との相互直通運転、低床型車両によるトラムトレインの実現に向けた技術開発が大きく前進したといえます。

 

このほか、近畿車輛などでもバッテリー搭載のハイブリッド電車の開発が進められています。